※著者が公開データをもとに調べた個人的なまとめです。町の公式見解ではありません。あくまで参考としてご覧ください。
「駅がない町」の暮らしは、実際どうなのか
玉村町には鉄道駅がありません。移住を検討される方から最もよく聞かれるのが、この点についての不安です。買い物は不便ではないか、休日に行く場所はあるのか、車がないと何もできないのではないか——。
結論からお伝えすると、玉村町の暮らしは「町の中だけ」で完結させるものではありません。高崎・前橋・伊勢崎・吉岡・玉村を合わせた生活圏には、約100万人が暮らしています。この規模感が、駅のない町の暮らしを支えています。

この見方は、東京から群馬県前橋市へ移住した経済評論家の西村晃さんが講演で語られていたものです。前橋市単体で考えるのではなく、隣接する高崎市・玉村町・伊勢崎市・吉岡町を含めた広域で捉えると、札幌や福岡を除く地方都市のなかで100万人規模の商業圏を形成しているのは群馬だけである、と。玉村町はまさにその商圏の真ん中に位置しています。
車社会だから、大型店が集まる
面白いのは、群馬に大型店が多い理由です。コストコやIKEAのような大規模店舗は、車社会だからこそ成立します。車のない都市部に出店しても、お客さんは持ち帰れる量しか買えず、大量購入・大量消費が生まれません。車があって初めて、あの業態が成り立つわけです。

実際に東京から移住してみて、この違いは日々実感しています。自転車で持ち帰れる量が上限だった暮らしから、車に積める量まで一度に買える暮らしへ。物価そのものは都内より安いのに、買う量はむしろ増えました。
実際の買い物・おでかけ範囲
玉村町での暮らしは、日常の買い物こそ町内のスーパーやドラッグストア、直売所で済みますが、少し足を伸ばす日も多くあります。書き手の場合、こんな感じです。
- 食材のまとめ買い:前橋市のツルヤ、高崎市や伊勢崎市のロピアへ
- 映画:シネマテーク高崎、前橋のけやきウォーク内の映画館へ
- 大型店:コストコ、IKEAなども車で行ける範囲
いずれも車で20〜30分ほど。「隣の市まで買い物に行く」という感覚は、都内での「隣の駅まで行く」に近いものがあります。移住を考えるとき、生活圏を町の境界で区切って考える必要はありません。
海なし県なのに、魚が新鮮な理由
群馬ならではの強みとして触れておきたいのが「角上魚類」です。海のない群馬でなぜ鮮魚が評判なのか、これには物流上の理由があります。角上魚類は新潟・寺泊から仕入れた魚を自社物流で直送しており、豊洲市場などを経由しません。しかも新潟から東京へ向かう物流ルート上に群馬が位置しているため、東京よりも新潟に近い分、水揚げ直後により近い状態の魚が届くというわけです。
「群馬は海がないから魚が心配」という声を聞くことがありますが、実際に暮らしてみると、この点で困ることはほとんどありません。
なぜ群馬が移住先に選ばれるのか
前述の西村さんが群馬を選んだ理由は、玉村町への移住を考えるうえでも参考になります。
東京への近さ。仕事で週に何度か東京へ出る必要がある方にとって、高崎駅から新幹線で約50分、車でも関越自動車道が使える群馬の位置は現実的な選択肢になります。玉村町からは高崎玉村スマートICから練馬ICまで約1時間です。
駐車場の余裕。都内では駐車場だけで月5万円ということも珍しくありませんが、群馬では戸建てに複数台分の駐車スペースがあるのが当たり前です。「一家に一台」ではなく「一人に一台」が前提の社会です。
文化施設への距離。地方移住でよく聞かれるのが「文化的な孤立感」への不安です。コンサートや映画から遠ざかる生活になるのではないか、と。しかし前橋・高崎にはコンサートホールも映画館も大型商業施設もあり、東京へも1時間程度。この点は前述の生活圏の話とつながります。
住み替えによる資金。首都圏に持ち家がある場合、売却して地方で同等の物件を購入すると、差額が老後資金として残るケースがあります。団塊世代が首都圏に建てた家を相続する世代がこれから増えていくなかで、現実的な選択肢になりつつあります。
災害リスクの少なさ。首都直下型地震や南海トラフ地震のリスクを考えたとき、群馬は相対的に災害の少ない県として評価されています。群馬県が移住希望地ランキングで2年連続1位(2026年2月発表)となった背景にも、この点があります。
まとめ:生活圏で考えると、玉村町が見えてくる
玉村町に駅はありません。町内に映画館も大型商業施設もありません。ここは正直にお伝えすべき点です。
しかし、車で20〜30分の範囲に約100万人規模の商業圏が広がっており、買い物も、映画も、文化施設も、日常の選択肢として十分にあります。玉村町はその商圏の中心に位置し、住宅地の地価は高崎市の6割以下です([群馬県で移住するならどこ?主要6エリア比較]で詳しく比較しています)。
便利さは生活圏で手に入れて、住まいのコストは町で抑える。この組み合わせが、玉村町という選択肢の実像だと思います。
町の暮らしについてもっと知りたい方は、[移住相談]からお気軽にお問い合わせください。
