高崎市と玉村町、移住するならどちら?

354の道路の写真。給水塔の写真もあり。

※著者が公開データをもとに調べた個人的なまとめです。町の公式見解ではありません。あくまで参考としてご覧ください。

玉村町は高崎市の一部ではありません

「高崎市玉村町」と検索されることがよくありますが、玉村町は高崎市に属していない独立した町です(群馬県佐波郡玉村町)。ただし高崎市の東隣に接しており、生活圏・通勤圏は大きく重なります。だからこそ「高崎で働くけれど、住むのはどちらにするか」という比較が現実的な選択肢になります。

住居費:住宅地の地価は約4割安い

国土交通省の地価公示(2026年)によると、住宅地の平均地価は高崎市が約58,000円/m²(市内44地点の平均、坪約19万円)に対し、玉村町は約34,000円/m²(坪約11万円)。同じ予算なら、玉村町では高崎市より4割ほど広い土地が視野に入ります。60坪の土地なら単純計算で約490万円の差です。浮いた予算を建物や教育費に回せるのは、子育て期の家計には小さくない違いです。

もう一つの違いは価格の「ばらつき」です。高崎市の住宅地は駅近の177,000円/m²から山あいの19,400円/m²まで約9倍の開きがあり、市内のどこを選ぶかで住居費が大きく変わります。一方、玉村町の住宅地は32,200〜36,100円/m²と差が1割程度で、町内のどこを選んでもほぼ同じ水準。土地探しで「掘り出し物を探し回る」必要が少ない、分かりやすい市場です。

通勤・通学:高崎市内在住と大差ない場合も

玉村町から高崎市街へは車で約20分。高崎市は面積が広いため、市内の郊外部から中心部へ通うのと所要時間が変わらないケースも珍しくありません。さらに玉村町は前橋・伊勢崎・藤岡にも隣接しているため、夫婦の勤務先が別々の市にある世帯には、どの市へもアクセスできる玉村町の立地が効きます。転職で勤務地が変わっても住み替え不要になりやすいのもこの立地の利点です。

この「真ん中の立地」は、子どもの高校進学でも効いてきます。群馬県の県立高校は県内どこからでも出願できるため、制度上の選択肢はどこに住んでも同じですが、実際に3年間通えるかどうかは家からの距離で決まります。

玉村町は高崎・前橋・伊勢崎・藤岡の4方向の高校がいずれも通学圏に入る位置にあり、特定の市の高校に縛られず、学力や校風で進学先を選びやすいのが特徴です。町全域が平坦なので自転車通学がしやすく、バスや親の送迎と組み合わせれば選択肢はさらに広がります。

一方、高崎市の駅徒歩圏に住めば高崎市内の高校と鉄道沿線の高校に通いやすく、こちらは「鉄道でのアクセスの良さ」で選択肢を確保する形です。方向の広さで選ぶなら玉村、鉄道の便で選ぶなら高崎駅周辺、という違いになります。

鉄道:ここは高崎市の圧勝

正直にお伝えします。鉄道は比較になりません。高崎市には新幹線を含む多数の路線が集まる高崎駅があり、玉村町には鉄道駅がありません(最寄りはJR高崎線・新町駅で車約10分、高崎駅へは車約20分)。

毎日の鉄道通勤・通学が絶対条件なら高崎市、とくに駅徒歩圏をおすすめします。玉村町の生活は車が前提です。町内には路線バス(高崎・前橋・伊勢崎への直行便あり)と利用者の予約に応じて乗降地点間を運行する乗り合いタクシー「たまGO」がありますが、本数は都市部の水準ではありません。

子育て:医療費は同条件、町独自の経済支援は玉村に厚みがある

子ども医療費は群馬県の制度により、高崎市でも玉村町でも高校生世代まで完全無料(所得制限・自己負担・窓口立替なし)で、差はありません。

差が出るのは町独自の支援です。玉村町は町立小中学校の給食費を全額補助(全児童・生徒対象)し、第2子以降の保育料・副食費を無償化しています。給食費は一般に子ども1人あたり年間5万円前後かかるため、小中9年間の全額補助はそれだけで数十万円規模の家計支援になります。移住支援金の子ども加算(玉村町30万円)は一時金ですが、こちらは毎年効く継続支援です。

ほかにも、妊娠から18歳まで切れ目なく相談できる「こどもまんなかセンター にじいろ」、産前産後ママヘルパー派遣、ファミリー・サポート・センター、路線バス通学定期補助(小学生〜大学生・専門学校生)など、人口3.5万人の町とは思えない支援メニューがそろっています。

環境面でも、小学校5校・中学校2校・小学校区ごとの児童館5館がコンパクトにまとまり、全域がほぼ平坦で子どもが自転車で移動しやすい町です。

習い事や学習塾はどうでしょうか。町の規模の分だけ町内の教室数は高崎市に及びませんが、玉村町は高崎・前橋・伊勢崎・藤岡の4方向いずれの教室にも車で20〜30分で通える位置にあり、選べる教室の総数ではむしろ1つの市に住むより幅があります

ピアノは前橋、進学塾は高崎、スイミングは伊勢崎、という選び方が現実的にできる立地です。

結論:こんな人はどちら?

高崎市が向く人:鉄道通勤・通学が必須/駅徒歩圏の都市生活が好き/子どもに徒歩・電車で自力で塾や習い事に通わせたい(高崎市も広いため、地域によってはそのようなことが難しい場所も多いです)

玉村町が向く人:車移動が苦にならない/住居費を抑えて広い家に住みたい/夫婦の勤務地が別の市/給食費補助・第2子以降保育料無償化など継続型の子育て支援を重視したい/高崎・前橋・伊勢崎の3方向から高校や習い事を選ばせたい

どちらも「高崎経済圏で暮らす」という意味では同じ選択です。違いは駅までの距離と土地の価格のトレードオフだと考えると、判断しやすいはずです。

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