登下校に見ていた麦が、給食のストローになる町|玉村町の食育

※著者が公開データをもとに調べた個人的なまとめです。町の公式見解ではありません。あくまで参考としてご覧ください。

麦ストローとの出会い

玉村町に戻ってきてから、地域おこし協力隊の仲間が営むcafe unelmaで飲み物を頼んだとき、見慣れないストローが出てきました。紙ストローのようにふにゃふにゃにならず、しっかりした質感です。「これは何ですか」と尋ねると、「玉村町の麦で作られているんですよ」と教えてもらいました。

これが「麦ストロー」との出会いでした。毎日新聞(2022年3月9日)でも取り上げられている、プラスチックごみ削減の取り組みとして注目される素材です。

毎日新聞 2022/3/9の記事より

玉村町は米麦の二毛作が盛んな町

玉村町では、米と麦をひとつの田で交互に育てる「二毛作」が盛んに行われています。麦の収穫期にあたる初夏、町のあちこちで黄金色の麦畑が広がる光景が見られます。町に住む子どもたちの多くは、この麦畑を見ながら登下校しています。

麦ストローに使われるのは、麦茶の原料にもなる六条大麦です。茎が太く長いため、ストローとしての加工に向いているのだそうです。

給食のストローを、子どもたち自身が作る

麦ストロー作りを行っているのは、「たまむら食の探検隊」という町内の取り組みです。麦の収穫が終わる6月末から7月初旬にかけて、学校の子どもたちや有志の方によってカット作業が行われます。実際に南中学校での作業を見学し、カッティングも体験させてもらいました。

作業自体は、乾燥させた麦の節を切るだけのシンプルなものです。黙々と続けていると、独特の手応えが心地よくなってきます。

完成した麦ストローは、「学校給食ぐんまの日」(群馬県が2001年から実施している取り組みで、毎年10月24日を中心に、群馬県産の食材や郷土料理を給食に取り入れる)で使用されます。ストローと一緒に、粉末を溶かして飲む「ミルメーク」が提供される際に使われる予定だそうです。

作業に参加した子どもたちからは、「給食で出てきたとき何だこれって思ったけど、実際に作業をして、こうやって作られているんだと知れてよかった」という感想が聞かれました。

麦ストロー作りの様子は、玉村町給食センターのYouTube動画でも見ることができます。

「作る人」と「食べる人」がつながる食育

この取り組みが良いと感じるのは、子どもたちが自分で作ったものを、自分たちで食べるという体験になっている点です。給食を作っている給食センターの方に話を伺うと、「自分が子どもの頃からここで働いていて、あの頃作った給食を、今は目の前にいる子どもたちの親世代が食べていたんですね」という話になりました。世代を超えてつながる、地域ならではのやりとりです。

登下校のたびに何気なく見ていた麦畑が、実は自分たちの給食を支えている。この気づきを、教科書ではなく実体験として得られる環境が、玉村町にはあります。

移住を考える方へ

子育て環境を検討するとき、多くの方は医療費助成や保育料といった制度面に目が向くと思います。それに加えて、地域の農業や暮らしと、学校教育がどれだけ結びついているかも、実は見えにくいけれど大切な観点です。

玉村町では、給食費の全額補助や第2子以降の保育料無償化といった支援制度に加えて、こうした地域の資源を活かした食育の実践があります。町の暮らし全体については[玉村町の暮らし、正直ガイド]、子育て支援制度については[高崎市と玉村町、移住するならどちら?]でも触れています。

町での暮らしについて聞いてみたいことがあれば、[移住相談]からお気軽にどうぞ。

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